WORKS ワークス

神山つなぐ公社
依頼主
神山町役場 / Living World
エリア
徳島県 神山町
期間
2015年5月〜2016年3月
  • 神山町
  • 地方創生
  • 地方創生戦略
  • 神山つなぐ公社
  • 森山円香

人口5,000人の小さなまちに、
何かが育つきっかけをつくる

徳島県北東部の山間にある神山町。人口5,100人(当時)ほどで、過疎化が進むこの町から「絵に描いた餅で終わらず、実効性のある地方創生戦略をつくりたい」との依頼が届きました。そこで地方創生戦略「まちを将来につなぐプロジェクト」の策定、その推進母体となる「神山つなぐ公社」の立ち上げを、後藤太一(Region Works)と西村佳哲(Living World)の共同ディレクションで行うことになりました。



STEP 01 数値目標の設定

データに基づく分析であらたな目標を設定

神山町役場と意見交換を行ったのち、RESAS(地域経済分析システム)や統計資料等をもとに地域の状況を詳しく分析。人口や学級数が均衡するラインから逆算し、年間で新たに受け入れたい人数を決めるなど、これまで存在しなかった数値目標を設定しました。その上で、若手の役場職員や町民30名ほどのワーキンググループを形成し、約半年間かけて勉強会や住まい・仕事・教育などのトピックに分かれたワークショップに取り組みました。



STEP 02 人材の発掘

町民自らが地域の「担い手」になるようアシスト

ワーキンググループでは、町における「担い手」を見出すことを重視。参画する方の一人ひとりが、自分ごととして町の課題を捉え、意識を高めて行動につなげられるようファシリテーションを行いました。その結果、ワークショップ参加メンバーによって、複数のあらたなプロジェクトが始動。戦略の策定時点で、既に複数のプロジェクトが動いているという稀有な状況が生まれました。
農業人材の育成や食堂の運営、食品の販売等を手がける「株式会社フードハブ・プロジェクト」もそのひとつで、民間企業・役場・公社が出資する機関設計を当社が支援しました。

STEP 03 公社を発足

策定した戦略を推進するための公社を発足

地方創生戦略策定にあたり、その推進母体として設立したのが「神山つなぐ公社」です。リージョンワークスが、同社の事業計画や収支計画を立て、関係者間の合意を形成。設立総会の各種手配を行い、法人登記までをサポートしました。地方創生戦略策定に携わったRegion Worksの森山は、神山町に移住して同公社のスタッフに転身。後藤は理事となり、教育にまつわるプロジェクトや、集合住宅の建設・運営、町の広報活動などさまざまな取り組みを推進しました。守山も後に理事となりました。

STEP 04 プロジェクトの成果と影響
  • 「人口ビジョン」「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定
  • 「まちを将来世代につなぐプロジェクト(通称「つなプロ」)」の構築
  • 地元民間と移住者・行政と民間をつなげる仕組み「神山つなぐ公社」づくり
  • 民主体の自発的な新規事業の立ち上げ
  • ポジティブな世代交代の促進
STEP 05 未来への展望

住民と町外の人の化学反応が次々と起こり、世代が入れ替わりながらも顔が見える温かい人間関係は変わらず(むしろ深まり)、戦略そのものも定期的に改訂を重ねている様子を見ると、「絵に描いた餅に終わらない戦略」を多くの関係者の力を合わせながら構築できた手応えを感じます。その後、神山まるごと高専が開校するなど、奇跡の町と見られがちな神山町ですが、この取組みプロセスには再現性があると思っています。