- 依頼主
- UR都市機構 東日本都市再生本部
- エリア
- 全国
- 期間
- 2019年10月〜2020年3月
- UR
- ビジネスモデル

URが地方都市でできる
「新しいビジネス」ってなんだろう?を考える
「ハード面の整備だけでなく、ソフト面の充実も見据えた、これからの時代に合った地方都市のまちづくりを実現したい」。そんな依頼が、UR都市機構の東日本都市再生本部より届きました。都市再生本部とは、都市機能の高度化や居住環境の向上につながる事業を手がける部署です。そこでの新たなビジネスモデルの構築とアクションプラン策定をRegionWorksがサポートしました。
ヒアリングとディスカッションで課題を探る
はじめに、UR 都市機構 東日本都市再生本部(以下UR)が抱えている課題を丁寧にヒアリング。「これまでは建造物などハード面の整備を中心としたまちづくりを行ってきたが、今は建物を次々と建てる時代ではない。地域経済の活性化が本質的な課題。これからに合ったURの役割を明確にしよう」という共通認識を導き出しました。その上で、ビジネスを通じて地域のために何ができるかをディスカッションしながら課題の定義に進みました。

地域が輝き、雇用を生み出す「地域経済開発」を目指す
「地域経済開発」をキーワードにURの新ビジネスの目的を「地域内経済循環による中央依存からの脱却」と設定。そして地域に「質の高い雇用創出」をすることを成果指標としました。そして新ビジネスを「地域経済開発プロデュース⽀援ビジネス」と定義しました。
専門家の意見を交えながら主な業務領域を決定
RegionWorksの人的ネットワークを活かして、ポートランドのまちづくりに携わってきた地域経済開発プロデューサーや地域エコノミストなどの外部専門家をゲスト講師として招聘。URの担当者とともに、知識を深めながら活発な議論を行いました。日本の地域経済開発にまだ導入されていない視点も交えつつ、公的なまちづくり主体であるURが担うべき役割た、現在持っている主なアセット(公的信頼性、人的ネットワーク、人員数など)から活用できるものを検討。そこから生まれた仮説をもとに、「ビジネス開発ハンズオン支援」「地域経済開発主体の組織化・運営」「施設整備・運営」をメインの業務領域に位置付けました。ちなみに今回、対象となったエリアは鹿沼、帯広、西小山、福島被災地です。

アクションプランを策定しプロジェクトを推進
具体的な実施体制やスケジュール、予算設定をまとめ、長期的な計画を見据えたアクションプランを策定。検証のために先行して事業をスタートさせる3つ程度の地域を絞り込み、課題分析や地域のニーズに即したキーワード設定を進めました。その後、URは「地域経済開発」のサポート役の役割を担い、RegionWorksもコアメンバーとして参画。地域の方々とコミュニケーションを深めながら、関係人口の創出、企業・行政・非営利団体をつなぐハブとなる地域経済開発主体の検討、運営母体となる場づくりを推進していきました。

- ・新ビジネスモデル案
- ・先行事業による検証
- ・長期的な計画を見据えたアクションプランの策定
- ・UR中期計画改定への反映
公的なまちづくり事業者であるUR都市機構は、民間デベロッパーの事業採算性が見込み難い地方都市のまちづくりにおいても、事業性と公共性を同時に追求する使命を持っています。この難題に対して、各地の現場に携わっているURの方々が真摯に向き合い、個々の取組みを普遍化してビジネスモデルに昇華しようとする試みは、UR中期計画に反映されたことで、さらに実践と改善が重ねられていくこととなり、今後の展開が楽しみです。