- 依頼主
- 野村不動産株式会社を代表とするグループ
- エリア
- 東京都 中野区
- 期間
- 2021年9月〜2024年5月
代表事業者:野村不動産株式会社、共同事業者:東急不動産株式会社、住友商事株式会社、ヒューリック株式会社及び東日本旅客鉄道株式会社 ※当時
- 東京
- 中野区
- エリアマネジメント

中野サンプラザのDNAを未来につなぐエリアマネジメント
中野サンプラザの再開発計画のなかで、中野サンプラザが築き上げてきた文化のDNA(遺伝子)を未来に継承していくことを目的としたエリアマネジメント組織の組成に取り組みました。RegionWorksへの依頼内容はふたつあり、エリアマネジメント構築及び運営支援(2021年9月〜2023年4月)、中野サンプラザ閉館に係るフォトアーカイブ作品制作(2022年12月〜2024年5月)に携わりました。
地域の方々とエリアマネジメントの骨組みをつくる
2021年、地域の方々とともにエリアマネジメント活動を検討し、企画・実施していく「(仮称)中野サンプラザシティエリアマネジメント準備会」を野村不動産株式会社を代表とするグループとともに設置。地域との関係構築のために個別の面会を継続的に行いつつ、オンラインコミュニティおよび情報発信の企画を丁寧に行っていきました。
そして、エリアマネジメントの実施体制を構築しながら事業を統括。再開発事業との連携と役割分担を明確化して、リソースを効果的に活用できるように下地を作りました。
また、地域関係者・団体へのヒアリングを重ねて確かな関係性をつくり、この取り組みについて一緒に考える公開企画会議を3回にわたり実施。中野サンプラザのDNAの未来への継承、公共空間の利活用などについて意見交換を重ねました。

エリアマネジメント以外にも次々と案件に着手
2022年、3回の公開企画会議で交わされた意見やアイディアを念頭に、エリアマネジメントのロードマップを作成。閉館前・工事中・開業後の3フェーズが連続するように、メディア・場・アーカイブの3領域における複合的な活動計画・予算案も作成しました。
それらを元に、中野サンプラザの閉館にともなうエリアマネジメントのウェブサイト制作、フォトアーカイブ作品制作、建物の3次元データの計測とオープンソース化、建物を活用したプロジェクションマッピングなど、中野サンプラザのDNAを未来への継承するためのプロジェクト案を協議。中野区との連携もより強化していきました。 また地域関係者との協働も多かったため、閉館に関連する様々な業務の全体的なサポートもRegionWorksにて行いました。


中野サンプラザ撮影した数万枚の写真を使った作品が完成
50年もの間、親しまれてきた中野のシンボル「中野サンプラザ」のDNAを継承する活動のひとつとして、中野サンプラザを1枚のアート作品として残す、フォトアーカイブプロジェクトを実施しました。
中野サンプラザは象徴的なシルエットの建物内に多様な機能が集積されていて、人々のハレとケが共存した様々なシーンが生まれる場所でした。それらのシーンが今日の中野らしい文化を育んできたと考え、写真家・西野壮平氏の力をお借りし、中野サンプラザの様々な情景や想いを数万枚の写真に収め、ひとつの作品をつくっていただくことになりました。 これまで都市や山などを対象に作品を手掛けてきた西野壮平氏は、中野サンプラザをひとつの都市のように見立てて、一言では表現できない特異性があると解釈。中野サンプラザに向けられる、それぞれの人の想いや捉え方を感じながら、中野サンプラザの姿やシーンを紡ぎ、未来へとつなぐ一枚に昇華させてくださいました。
RegionWorksは、西野氏による作品制作、中野サンプラザおよび各フロア、テナント等との協力関係の構築、中野サンプラザ利用者への撮影依頼・調整・アポイント等をディレクション。西野氏の作品構想や地域とのリレーション、作品のお披露目に向けた準備に並走、サポートしました。




- ・中野地域関係者へのヒアリング及び公開企画会議の実施
- ・エリアマネジメント組織の活動ロードマップの作成
- ・エリアマネジメント組織の規約案作成
- ・エリアマネジメント組織のウェブサイトの企画・制作・運営
- ・中野サンプラザ閉館に係る関係者との協働及び全体サポート
- ・中野サンプラザ閉館に係るフォトアーカイブプロジェクト実施
- ・中野サンプラザアーカイブプロジェクトの中野区への提案
当社が本案件を離れた後に、中野サンプラザ跡地再開発事業そのものが白紙になったことで、本取組みも「中野駅周辺エリアマネジメント準備会」に引き継ぐ形で終了となりましたが、人々の記憶がフォトアーカイブという形での保存されたことは、街のDNAが未来につながる可能性を残せたと思っています。あらためて、不動産事業とエリアマネジメントの良い関わり方を実践を通じて模索していきたいと思います。